肝胆膵脾・希少がん治療チーム

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肝胆膵脾・希少がん治療チームは、肝胆膵脾のさまざまな疾患や希少がんの外科治療に挑む専門医チームです。肝臓、胆道、膵臓、脾臓のさまざまな疾患に対して腹腔鏡を用いた低侵襲手術を実施しております。門脈圧亢進症(食道・胃静脈瘤、脾機能亢進症)に対する低侵襲手術も実施しております。 進行した肝がん、胆道がん、膵がんに対しては、心臓血管外科医と連携しながら血行再建を伴う高度な外科治療を安全に実施しております。 腫瘍内科と連携しながら難治性の希少がん(肉腫)に対して外科治療を含めた集学的治療を実施しております。

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肝胆膵脾・希少がん治療チーム

肝胆膵領域とは?

消化器系臓器のうち肝臓、胆道(胆嚢と胆管、そして十二指腸乳頭部)、膵臓で構成されている領域を「肝胆膵領域」といいます(下図)。肝胆膵領域はおなかの深い位置にあるうえに、出血しやすい臓器であり、また周囲に重要な血管や神経が走行しているため、手術を行う場合には難度が高く、正しく診断し、正確かつ安全に切除するには、高度な専門的知識と技術が要求されます。
当科では開腹手術において、この肝胆膵領域の極めて難しく、高度な技術と経験が必要な手術にも積極的に取り組んでいます。一方で、創部の小さな腹腔鏡下手術の普及に伴い、保険収載されている肝切除と膵臓の尾側膵切除においては積極的に腹腔鏡下手術を実施しております。

肝門部領域胆管癌手術、膵頭十二指腸切除、
血行再建術など高難度手術

肝胆膵領域においては肝門部領域胆管癌や血行再建を伴う膵頭部領域悪性腫瘍など、高難度手術にも緻密な術前検査のうえで積極的な開腹手術に取り組みんでいます。

肝門部領域胆管癌手術の様子です。左は肝十二指腸間膜内を郭清している写真で、右は門脈を合併切除し腫瘍を摘出する時の写真です。

膵頭十二指腸切除術の様子です。左は上腸間膜静脈合併切除し腫瘍を摘出、そして上腸間膜静脈再建後の写真で、右は上腸間膜動脈と静脈を合併切除し血管グラフトを用いた再建後の写真です。

腹腔鏡下肝切除術

肝切除術の対象となる疾患は肝細胞癌や大腸癌を中心とする転移性肝臓癌、肝内胆管癌や胆嚢癌、肝門部領域胆管癌などがありますが、腹腔鏡下肝切除の適応となる疾患は基本的にリンパ節郭清などが伴わない肝細胞癌や転移性肝臓癌、もしくは症状を有する良性肝疾患などが中心となり、これらの疾患には積極的に鏡視下の手術を行い良好な治療成績が得られております。

腹腔鏡下肝切除術の様子です。左は転移性肝臓癌に対して術中超音波にて腫瘍位置を確認しマーキングしている写真で、右は肝細胞癌の部分切除後の状態です。

腹腔鏡下肝左葉切除術の様子です。左は肝左葉を支配する脈管群左グリソン鞘を切離する時の写真で、右は肝左葉切除後の写真です。

腹腔鏡下尾側膵切除

膵臓切除術の対象となる疾患は膵臓癌や遠位胆管癌などの代表的な難治性腫瘍から、膵嚢胞性疾患や膵神経内分泌腫瘍などの低悪性度腫瘍があります。膵頭部側の腫瘍に対しては、基本的には開腹手術において緻密な手術を、必要に応じては周囲の血管なども合併切除まで積極的に取り組んでいますが、膵尾側側の腫瘍においては、低悪性度腫瘍から悪性度の高い膵癌においても、肝切除同様に腹腔鏡下尾側膵切除を適応としており、積極的に鏡視下の手術を行い良好な治療成績が得られております。

腹腔鏡下肝尾側膵切除術の様子です。左は脾動脈をクリップしている写真で、右は膵を器械にて切離する時の写真となります。

膵体部癌に対する腹腔鏡下肝尾側膵切除術の様子です。左はリンパ節郭清を行い標本摘出後の膵断端周囲の写真で、右は標本摘出後の腎周囲の写真となります。

肝胆膵外科について

肝胆膵領域手術は難治性腫瘍が多く、また高難度の手術も多く、時には10時間以上要する手術もめずらしくはありません。緻密な術前診断や術後管理、また他科との協力を行いながら根治を目指します。また肝胆膵領域における鏡視下手術においては、胆嚢摘出以外では、2010年からは段階的に保険診療として認められるようになり、術後創部痛や出血量が少なく、視野が良い、また入院期間が短いといった利点もあり、徐々に実施数が増えてきております。当科においても、肝切除では肝部分切除から肝臓を大きく切除する肝葉切除など、膵切除では良性疾患の尾側膵切除から化学療法後の膵体尾部癌に対する尾側膵切除など、安全性と根治性に配慮しながら、積極的に今後も施行していく予定です。

 

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